あー疲れました。
正月明けで、大した仕事もしてないのに疲れました。
大した仕事をしてないから疲れるのでしょうか?
さっさと会社を出て、地下鉄半蔵門線の駅に向かいました。
私は帰りの電車では、ほとんど座って帰っているのです。
なぜ座れるのかというと、すぐ降りる人の前に立つからなんです。
私が乗るときには、車内の座席は既に埋まっているのですが、立っている人はあまりいない状態なのです。
従って、どこに立つかの選択しはかなり広いのです。
乗車して、何駅か過ぎると、あっという間に満員になり、私が降りる郊外の駅まで満員の状態が続くのです。
今日も駅の改札を抜け、階段を下りると下りホームの一番後ろに着きます。
この路線で座れる確立の高いのは、先頭車両なのです。
私は電車が来る前に、急いでホームを縦断します。
この路線は、先頭車両付近に乗り換え口が集中していて、この車両は乗り降りが激しいのです。
結果、座れる確立が高くなるというわけです。
電車が到着しましたが、やはり先頭車両にも空席は見当たりません。
そして、車両を一瞬のうちに見回し、すぐに降りそうな人の前の立つのです。
<すぐに降りそうな人とは>
- 起きている人
- 会社の同僚といる人
途中下車して呑みに行く確率が高いです。
まっすぐ帰宅するにしても全員が同じ駅で降りる確率は低いので、誰か先に降りるはずです。
しかし、誰が先に降りるかのを見極め、その人の前に立つのは至難の業です。
3人以上の同僚と一緒にいれば、確率は上がります。
- 観光客
いかにもホテルに泊まってそうな、キャリーケースを転がしている人たちは都心で降りる確立が高いです。(外国人ならほぼ間違いないです)
同じくキャリーケースを持っている、出張帰りのビジネスマンを観光客と間違えないよう注意が必要です。
しかし、ビジネスマンは単独での行動が多く、単独でなくても同行者に上下関係が見られるので、親密ぐあいで観光客と見分けるのは容易です。
更に、ビジネスマンは観光客と比較して明らかに笑顔が少なく疲れてます。
- 若い遊び人やカップル
きっと都心の繁華街(渋谷など)で降りて遊びにいくはずです。
- 高齢者なのに超軽装な人
きっと近所に住んでいて、散歩程度に乗車していると思われます。
郊外のお住まいの高齢者が都心に来るときは、ゆるぎない意思と、決心を固めてから都心にいらっしゃるため、そんな軽装で来ないはずです。
逆に、重装備な前期高齢者は郊外まで乗車する可能性が高いと思われます。
*後期高齢者。
見かけた場合は、席を譲ってあげて下さい。
<すぐに降りそうもない人とは>
- 同じ駅で電車に乗るとき、一つの空席を必死に確保した人
すぐに降りる人は、ここまで必死になりません。
- 一人で泥のように寝ている人
すぐに降りる気が、微塵もしません。
- 上着を脱いでくつろいでいる人
長期戦に備えています。
- アイマスクをしている人
熟睡する気です。
- スマホで映画を見ている人
一本、観る気でいそうです。
- 都心には展開してない書店チェーンのカバーのかかった本を読んでいる人
間違いなく郊外まで乗ります。
- 「ファッションセンターしまむら」の袋を持っている人
基本的に郊外型展開を経営戦略路としています。(最近は大都市への進出も始めてますので要注意)
- 「ワークマン」の袋を持っている人
「しまむら」と同様
- 冬場、周りの乗客より若干厚着をしている人。
郊外は都心より気温が1度低い
このロジックで、今日は外国人(欧米人)観光客3人家族の前に立ちました。
この場合、3人一緒に降りるはずなので、誰の前に立っても大丈夫です。
今日はラッキーです。座れる確立99%です。
3人が座っている7人掛けのシートのつり革には、私を含めて3人の人が立っています。
後ろのつり革にも3人です。
さほどの競争率ではありません。
次の駅に着きました。
すると、外国人3名様は、私が指示したかのように降りていきました。
私は当然とばかり、自分の前の座席に座りました。
残りの席は、椅子取りゲームような勢いで埋まりました。
私の席の隣には、OLが座りました。
私は、スマホでニュースでもみてから、睡眠を貪ろうとしていました。
その時です。
「おなかに赤ちゃんがいます」のキーホルダーをバックにつけた女性が乗車して、隣のOLの前に立ちました。
しかし、OLはびくともしないのです。
早く席を譲れ!あんた若いだろう!と私は心の中で叫びました。
OLはまったく動じないのです。
まるで安倍政権のようです。
電車が走り出してしまいました。
もう限界です。
私の気の弱さと、偽善的な性分とOLへの嫌がらせから、
妊婦さんに「座られますか?」と言って私が立ち上がったのです。
妊婦さんは「ありがとうございます」とお礼を仰られました。
私はニコッと微笑み妊婦さんに席を譲りました。
オイOL! オヤジを立たせ心が痛むだろう!
おまえ、うちの娘より若いだろう!
と心の中で叫び、上から見下ろしましたが目が合いません。
まったく、気にしている様子はなく、OLへのプレッシャーは不発に終わりました。
私はアンガーマネージメントにより、怒りがコントロールされると、カバンを網棚に載せ、立ったまま文庫本を読み始めました。
いつの間には電車は満員になりました。
私は心穏やかに約40分間、電車で立ち続けたまま、自宅の最寄り駅に到着しました。
網棚からカバンを取り、降りようとすると、妊婦さんは、ご丁寧に再度「ありがとうございました」とお礼を言ってくれたのです。
途中から乗車してきた周りの乗客は、“私が席を譲った美談”を知らないため、何事があったのかと、こちらを見ていました。
「私が席を譲った、やさしいおじさんだぞ!道を開けい!」と心の中で叫びドアに向かって歩き出しました。
人の海は「モーゼの十戒」のように開けていきました。
きっと、私の後ろ姿には後光が差していたものと思われます。
そして私は、都心に展開してない本屋のカバーがかかった本をカバンに仕舞い、家路を急ぎました。
都心から、電車で座って帰りたければ(妊婦さん以外は)私の前に立ってはいけない。