年明け早々、うちの会社ではインフルエンザが局地的に流行しています。
局地的とは、うちの会社は6フロアーあるのに、私の居る6階だけが流行しているのです。
仕事始めの月曜日に、うちの部のAさんが会社に出社し、熱っぽいと言い出しました。
念のために、近くの病院に行かせるとインフルエンザA型陽性でした。
これが、うちのフロアーでのインフルエンザ罹患者「第一号」だったのです。
次の日にBさんが熱があるのとの事で休みました。
その後、病院に行くとインフルエンザA型だったとの連絡がありました。
AさんとBさんの発症の間隔が短いので、Aさんからうつったのではないと思います。
2人とも、正月休みにどっかでうつったのだろうと思っていました。
この頃までは、AさんもBさんも大変だねぇ。程度でした。
そして、水曜日にCさんとDさんが休みました。
やはり、どちらもインフルエンザA型との事でした。
これは、Aさんからうつった可能性もあり、Bさんの可能性も捨て切れません。
「CさんはAさんと濃厚接触してたぞ」みたいなうわさも出ていました。
「濃厚接触って何だよ?」
「同じ会議に出てたんだって」
こうなると、次は誰だみたいな感じになって来ました。
総務部から、手洗い、うがい励行の通達が出ました。
全フロアーの入り口に、アルコールの消毒スプレーが置かれました。
マスクの社員も急激に増えて来ました。
そして木曜日、隣の部のEさんが休みました。
EさんもインフルエンザA型陽性との事でした。
完全にうちの部のせいになっています。
総務部より、各課に置き型の塩素剤(クレベリン)が配布されました。
外からフロアーに戻ってくると、若干塩素の臭いがします。
夏でもないのに6階はプールに来たみたいです。
金曜日に第一号の罹患者のAさんが復帰しました。
「解熱してから3日経っているから大丈夫」との事でしたが、なんとなくみんなAさんと距離を置いている感じでした。
そして3連休後の火曜日に、うちの部からFさんが、隣の部からGさんとHさんがインフルエンザA型という連絡がありお休みしました。
既に8人です。
このフロアーには35人ぐらい居るので、2割以上が罹患したことになります。
心なしか、他のフロアーの社員が、近寄らなくなった気がします。
私も他のフロアーに行きにくくなってきました。
逆に今晩、他のフロアーのやつを飲みに誘ってやろうかとも思いました。
そして火曜日の午後、うちの部のIさんが熱っぽいと早退しました。
みんな、9人目が出たと騒ぎだしました。
25%=1/4が罹ったことになります。
こうなると、フロアーは異様な雰囲気です。
「こういうのパンデミックって言うんじゃないの?」
「学級閉鎖みたいに、部閉鎖とか、フロアー閉鎖とか無いの?」みたいな話が出てきました。
「また出たらしいわよ」
お化けのような扱いです。
Iさんの早退情報はインフルエンザより早く拡散していきました。
そして、全員が待ちに待っていた、Iさんからの連絡が来ました。
Iさんは、検査の結果インフルエンザ陰性だったのです。
ただの風邪みたいで、熱も上がってないとの事でした。
「よかったですね」という事なのですが、なぜかみんなガッカリしている感じなのです。
「Iは空気読めないよなぁ~」的な雰囲気なのです。
「うそでもインフルって言えよ」
「よく、ただの風邪とか言えるよな」的な感じでした。
何を期待していたのでしょうか?
これだけ、インフルエンザが蔓延すると、自分もインフルエンザのような気がしてくるんです。
なんか調子悪い気がしてくるんです。
人間のメンタルなんて弱いものなのです。
「罹っても、しょうがないだろ!」的な開き直りも出てくるんです。
一方、これ以上休んだら業務に支障が出るだろう。
仕事が回らなくなるだろう。
どうなってしまうんだろう?
といった不安と好奇心が芽生えてくるのです。
しかし、Iさんの偽装インフルエンザの後は、「出たのよ」の連絡はありません。
沈静化してきているみたいなのです。
休んでた人も、徐々に戻ってきています。
週明けどうなるかわかりませんので、楽観はできませんが、終息に向かうことを願います。
うちのフロアーだけの局地的な流行なので、「呪われたフロアー」的な笑い話で済んでいますが、全社的に流行したら業務に影響が出ていくのだと思います。
今は、抗インフル薬の吸入や服用で、あっというまに熱は下がるようです。
解熱後の3日間は、外出できず、ワイドショーを見て退屈な日々を過ごしているそうです。
しかし、予想外の流行で抗インフル薬不足とかになったら、パニックになるのでしょう。
季節性のインフルエンザが大流行してもパンデミックとは言わないのでしょうが、次々にすごいスピードで感染伝播していく怖さはなんとなく理解しました。
中国の武漢では、新型コロナウィルスが流行しているようですので注意しましょう!