今年の流行語は「ONE TEAM」で決まったし、ラグビーの一年だったと言っても異論は少ないのではないでしょうか?
先日、会社の帰りの電車で、つり革につかまって立っていました。
私の前にはサラリーマンと思しき同僚が2人で座っていました。
「お前は会社に戻るの?」
「明日の資料作らなきゃならないからな」
「俺はもう、このまま直帰するぞ」
みたいな会話が聞こえました。
2人ともサッカーが好きなようで、話題はサッカーに移りました。
聞いたことのないヨーロッパや南米のサッカー選手の名前をちりばめられていたことから、相当サッカーに詳しいのだと思いました。
会話を聞いていると、子供(たぶん小学生)にもサッカーをやらせているようでした。
本人もサッカー経験があるような気がしました。
そのうちひとりが、「でもさ、ラグビーにはかなわないよなぁ」
みたいな事を言い出したのです。
何でサッカー好きが、ラグビーの肩を持つのか不思議で、一層聞き耳を立てました。
その人が言うには、「ラグビーは正攻法のスポーツで、正面からぶつかっり合い、姑息なところが無い。正々堂々としている。」という評価なのです。
「ラガーマンは男だ!かっこいいよ!」的な事を言うのです。
まあ、私が学生時代からサッカー部はチャラチャラして、ラグビー部は硬派みたいなイメージがありました。
野球部は坊主なのでチャラチャラしようがありませんでした。
サラリーマンは、ラグビー選手の「怪我を恐れずに体当たりする勇気と根性がすばらしい」と絶賛するのです。
「このままじゃ、サッカーはラグビーに負ける」ということだそうです。
なぜ負けるのか?
その理由は、サッカーはファールをされたわけでもないのに、大げさに転倒したり、痛がったり、演技をしている。
そして、その演技でペナルティーを獲得すると、評価される。
こんなんじゃダメだというのです。
さらに、審判に見えないように袖をつかんだり、押したり、やっていることがせこい。との事です。
私は2人の話に吸い込まれ、3人で居酒屋に居るような気分になっていました。
私が妙に納得していると、私の前に座っている1人が席を立ちました。
(私は、もう降りちゃうのかよ。もう一杯呑んでいけよと思いました)
サラリーマンは、同僚と挨拶を交わし、電車を降りて行きました。
きっと会社に戻って、明日の資料を作るのだと思います。
空いた席には、代わりに私が座りました。
私が隣のサラリーマンとサッカーの将来性について、話を続けるわけにもいかず、残念ながら黙って帰りました。
ひとりで、先ほどの2人の会話を思い出していました。
確かに、反則を受けてないのに受けた振りをしたり、審判に見つからないように反則をするサッカー選手のプレーに対し、親として子供になんと説明するのでしょうか?
「世の中、正攻法ばかりでは通らないこともあるんだ!」
「正論ばかり言っていちゃ、やさしくなれないぞ!」
「審判の目を欺くほどの演技力があるというのは、アカデミー賞をとってもおかしくないんだ!」
「何でも白黒で片付けちゃ、うまく回らないこともあるんだ。たまにはグレーも必要なんだ!」
「きっちりやり過ぎちゃ、身体がもたないぞ。メンタルやられちゃうぞ!」
「協調性ないと、女の子にもてないぞ!」
「お前も今にわかるよ・・・」
と、説得力の無い説明しか思い浮かびません。
最近のスポーツはビデオ判定が、あたり前になっているのはご存じの通りです。
いわゆるチャレンジ!です。
ラグビーはTMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)、サッカーはVAR (ビデオ・アシスタント・レフェリー)というビデオ判定があります。
サッカーは試合の流れを止めるとの事で、まだ限定的のようですが、公平性を考えれば普及していくのでしょう。
こうなれば、サラリーマンが懸念していたサッカーの将来の不安もなくなるのかもしれません。
(逆につまらなくなるのかもしれません)
2000年代から、多くのスポーツでビデオ判定が導入されているようです。
そんな中で、相撲はなんと1969年から導入されているのをご存知でしょうか?
全取り組みをNHKが収録しているために為せる技なのでしょうか?
1969年と言えば、東京オリンピックの5年後、大阪万博の1年前ですよ。
そんな昔から大相撲はビデオ判定が採用されていたのです。
このころからサッカーもビデオ判定が採用されていたら、マラドーナの神の手もなかったかも知れません。
サッカーの歴史も変わっていたかもしれないのです。
ビデオ判定の歴史は相撲なのです。
「チャレンジ!」なんてチャラチャラした事言ってないで
大相撲に敬意を表し「物言い!」と叫びましょう!
柴崎の縦へのパスが大迫に通った!
そのまま大迫の鋭いシュートがゴールに突き刺さりました!
逆転です!
オットー!大迫にオフサイドの判定です!。
向正面(むこうじょうめん)の森監督から「物言い」が付けられました。
森監督は必死の形相で「物言い!」「物言い!」と叫んでます。
「只今のオフサイドについて、向正面の森監督から物言いがつけられましたため、VARで確認しましたところ、大迫はオフサイドラインの手前でパスを受けており、審判差し違えで、日本のゴールとします」
「GOAL!」