会社の周りには、美味しいそば屋さんが多いのです。
そば好きの私にとっては、恵まれた環境であります。
有名な老舗の蕎麦屋さんもありますが、立ち食いそば屋さんや、座れるセルフのそば屋さんでも、知る人ぞ知る絶品そばを出すお店が結構あるのです。
従って、私の昼食は、かなりそば率が高かったです。
昼休みの散歩を兼ね、会社から徒歩20分範囲のそば屋さんを探して、彷徨っていました。
最近はコロナの影響で、在宅勤務が増えたこともあり、そば屋さん巡りも激減してしまっていました。
昨日は出社していたので、昼食は小伝馬町の立ち食いそばの名店「田そば(デンソバ)」に行ってきました。
「田そば」も、コロナのせいでカウンターは、テープで仕切られていました。
ただでさえ、狭い店なのに間隔を空けてテープが張られているので、より一層客が入れなくなっていました。
入り口を挟んで、両側にカウンターがあるのですが左側は3名、右側には2名しか立てなくなっていました。
仕切られていなかったときは、左に4名、右に3名は立てたのではないかと思います。
どっちにしても小さいお店の上、「そば」も「お汁」も絶品で、「てんぷら」もサクサクで美味しいので、昼時はいつも数名が並んでいました。
特に、出汁は本枯節を使用しているというだけのことはあり、上品で美味しいのです。
その上、てんぷらの乗せ方やねぎの細かなきざみ方、白いどんぶりに映えるお汁の清み具合など、見た目も美しいのです。
店長は、そばへの思い入れとてんぷらへの拘りが強い方なのだと察します。
挨拶しかしたことはありませんが、絶対面白い人だと思うのです。
定番の小エビのかき揚やゲソ、春菊、紅ショウガ、マイタケ、ちくわのてんぷら、花巻(のり)の他に、単発でオリジナルてんぷらが並ぶのです。
ネギMAX、タコとパクチー、タコとバジル、ブロッコリー、モロッコインゲン、ニラ、ウド、ゴーヤ、芽キャベツなんかも過去に並んだ気がします。
定番に格上げして欲しいものから、奇をテラって、すべっているものまでいろいろです。
昨日は 満席 満立ち(5名)ではありましたが、お客さんは並んではいませんでした。
常連さんが多い店なので、逆境には強いとは思いますが、少なからずコロナの影響があるのようです。
「田そば」は、食券を渡してから、そばが出てくるまで結構時間が掛かるのです。
仕事が丁寧なのは解るのですが、そばの茹で時間をタイマーできっちり計っているのです。アラームが「ピピ」と鳴るのです。
立ち食いそばといえば「味」より「早い」「安い」を重視しているお店が多い中、「田そば」は「味」を一番に考えているのです。
私の計算では、茹で時間は2分半でタイマーをかけています。
そして、ほぼ一食分ずつ茹でるので、誰も並んでなくても、当然2分半以上は待つのです。
大勢で行くと最初に食べた人と最後の人では、かなりの時差が生じるのです。
行きは一緒に入店しても、帰りはばらばらに帰ることもあります。
しかし、美味しいから通ってしまうのです。
いつでも熱々、冷え冷えのそばを出してくれるから通ってしまうのです。
もうひとつ、コロナ前と変わったことがありました。
厨房に店長の他に1~2人いた店員さんがいなくなっていました。
店長のワンオペになっていたのです。
店長一人で大変だとは思うのですが、特に待たされた気はしませんでした。
そうなのです! 当然です!
2分半、そばを茹でている間、店長は手が空くのです。
その間に、洗い物し、てんぷらをトッピングして完成させる時間はあるのです。
てんぷらなど、仕込みは必要になりますが、“ひとり”でまわせるのです。
従って、以前とほぼ同じ時間で、そばは出てくるのです。
となると、今まで店長以外の人は何をしていたのでしょうか?
てんぷらを揚げていたとは思えません。(揚げていたらスミマセン)
約3分に1回、お客さんが下げたどんぶりを洗い、約3分に1回、茹で上がったそばに、てんぷらを乗せ「お待たせしました」というのが主な仕事だと思うのです。
3人で厨房に入っていたこともよくあったと記憶しています。
その時は、この作業を2人で分担していたことになります。
(他に作業をされていたらスミマセン)
もちろん、食券は自動販売機です。
水はセルフの給水器です。
ホールに出て作業をされることもありませんでした。
店長も2分半の茹で時間、何をしていたのでしょうか?
一瞬たりとも、そばから目を離すことができなかったのでしょうか?
これがプロフェッショナル(仕事の流儀)なのでしょうか?
あと一歩前に~進もう♪ が頭の中で流れていたのでしょうか?
それとも、“ワークシェアリング”、“働き方改革” を実践されてたのでしょうか?
どっちにしろ、しばらくはコロナ禍で大変だと思いますが頑張って下さい。
私も出来る限り、お邪魔し、微力ながら貢献できたらと思います。
どんなに待たされても文句は言いません。
奇をテラった、てんぷらが並んでも笑いません。
また、ホールも厨房も大勢でにぎわうことを祈念いたします。
「先客万来」いや「五客満席 立ち」がずーっと続きますように。